日本国内における暴力団組織の中で、圧倒的な規模と影響力を誇るのが兵庫県神戸市に本部を置く指定暴力団「山口組」です。現在の組長である司忍(本名:篠田建市)が率いる「六代目山口組」は、日本の治安情勢や社会構造において常に動向が注目される存在となっています。
本稿では、警察庁が公表する最新の統計データや、歴史的な変遷、組織の内部構造、さらには現在の社会的立ち位置に至るまで、客観的な事実に基づき多角的に検証・解説します。
六代目山口組の組織実態と警察庁統計が示す現在の規模

日本国内の治安情勢を監視する警察庁の公式データによると、2025年末時点における六代目山口組の構成員および準構成員の総数は約6,300人とされています。内訳としては、組織に直接所属する「構成員」が約3,100人、周辺者を含む「準構成員」が約3,200人という構成になっています。
ただし、暴力団側の実態として、警察の取り締まりや社会的制裁を避けるためにあえて組織への登録を行わない者や、統計上では完全に把握しきれていない関係者が存在すると指摘されています。そのため、実際の活動基盤や影響力の規模は、公表されている統計上の数値の数倍に上るのではないかと推測されることも少なくありません。
また、その活動範囲は兵庫県内にとどまらず、山形県、広島県、沖縄県の各県を除く全国44の都道府県に系列組織を展開しています。この広域にわたるネットワーク維持と統制力が、同組織の最大の特徴であり、国家公安委員会から主要暴力団および特定抗争指定暴力団に位置づけられている理由となっています。
兵庫県神戸市灘区の本部所在地と組織の階層構造
六代目山口組の中枢機能が置かれている「山口組本家」の所在地は、兵庫県神戸市灘区篠原本町4-3-1です。この一次団体にあたる本家を中心に、全国の二次団体、三次団体へとピラミッド型の厳格な組織体系が構築されています。
本家における首脳陣の構成や役職は伝統的な呼称を受け継いでおり、組長を頂点として、組織内での役割が明確に分かれています。具体的には、組長の補佐や兄弟分にあたる「舎弟」が数名配置されるとともに、組織の実務や下部組織を統括する「若衆(若中)」と呼ばれる直系組長たちが約80名ほど連ねています。
二次団体のトップである「直系組長(直参)」たちは、本家と直接的な主従関係を結んでおり、それぞれの地域や利権、資金獲得活動における重要な役割を担っています。この強固な上下関係と利害関係のバランスが、組織の求心力を保つ原動力となってきた一方で、時代ごとの離合集散や内部対立の火種になることもありました。
| 項目 | 詳細内容 | 公式データ・備考 |
|---|---|---|
| 正式名称・指定 | 六代目山口組(特定抗争指定暴力団) | 国家公安委員会指定 |
| 本部所在地 | 兵庫県神戸市灘区篠原本町4-3-1 | 山口組本家(一次団体) |
| 構成員数 | 約6,300人(構成員約3,100人 / 準構成員約3,200人) | 2025年末時点の警察庁統計 |
| 展開地域 | 44都道府県(山形・広島・沖縄を除く) | 全国的な系列組織の網羅 |
| 主要な役職構成 | 舎弟(約6名)、若衆・若中(約80名) | 直系組長(直参)による統括 |
大正期の大嶋組からの独立と歴史的経緯
山口組の歴史は、神戸における港湾荷役の労働者組織からスタートしました。当初の規模は小さなものでしたが、次第にその勢力を拡大し、大正時代から昭和初期にかけて大きな転換点を迎えることになります。
歴史的経緯において要点となるのが、かつて傘下として活動していた「大嶋組」からの独立です。1925年(大正14年)に春吉の長男であり「切戸の親分」と呼ばれた登が二代目を襲名した頃から、本家である大嶋組との間に緊張関係が生じました。その背景にあったのが、神戸中央卸売市場の開設に伴う巨大な利権を巡る対立でした。
死者を伴う激しい抗争の末に、同卸売市場における運搬作業の独占権を獲得した山口組は、これを契機に経済的な基盤を確固たるものとします。そして1932年(昭和7年)をもって大嶋組から完全に独立を果たし、独自の道を歩み始めることになりました。この港湾利権の獲得と独立の歴史が、その後の全国展開への礎となったといえます。
住吉会・稲川会との関係および神戸山口組の動向
日本の組織犯罪対策において、山口組の動向は他の主要指定暴力団との力関係に大きな影響を与えます。警察庁や治安当局の分類によると、六代目山口組は、関東を基盤とする住吉会や稲川会と並び、国内の主要暴力団の筆頭に位置づけられています。
また、組織内部の歴史を語る上で欠かせないのが、過去に発生した分裂騒動です。2015年に一部の有力直系組長らが離脱し「神戸山口組」が結成されたことは、全国の暴力団社会に大きな衝撃を与えました。その後、抗争状態が激化したことにより、警察当局によって「特定抗争指定暴力団」への指定が行われ、組員の立ち入りや活動に対する規制が厳格化されました。
近年では、神戸山口組をはじめとする分裂組織からの離脱や、構成員の高齢化・資金獲得手段の多様化・厳格化が進んでおり、暴力団をめぐる社会環境は大きく変化しています。警察の継続的な厳重警戒と取締りの強化により、組織の求心力や活動実態はかつてとは異なる局面を迎えているのが現状です。
【山口組 6 代目】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:六代目山口組の現在の組長は誰ですか?
A1:現在の組長は、五代目までの体制から継承して組織を率いる司忍(本名:篠田建市)氏です。
Q2:山口組の本部は現在も兵庫県神戸市にあるのですか?
A2:はい、兵庫県神戸市灘区篠原本町4-3-1に本家(本部事務所)が置かれていますが、警戒区域に指定されており厳しい警察の監視下にあります。
Q3:構成員数が減少している理由はなぜですか?
A3:暴力団対策法(暴排条例)の全国的な浸透や、警察による徹底した取締り、さらには社会的な孤立や経済的なメリットの低下に伴い、離脱者が相次ぎ高齢化が進んでいることが主な要因です。
六代目山口組の現状を俯瞰すると、警察庁の最新統計に示される通り、構成員数の緩やかな減少や高齢化が進む一方で、依然として日本国内における最大規模の指定暴力団としての組織基盤を維持していることが分かります。
大正・昭和期に港湾利権を足がかりにして独立を果たし、全国的なネットワークを築き上げてきた歴史的経緯は、日本の裏社会の構造を語る上で重要な事実です。しかし、現代においては厳しい法規制や社会的な排斥運動、そして組織内の離合集散により、その存在様式は転換期を迎えています。治安当局の動向や社会全体の防犯意識の高まりを含め、今後もその実態と動向については冷静かつ客観的な視点で注視していく必要があります。