日本相撲協会の最高峰である「幕内」の中でも、横綱に次ぐ特別な地位が与えられる「大関」。その実力や知名度は言うまでもなくトップクラスですが、実際の給料や年収、そして横綱との間には具体的にどれほどの違いがあるのでしょうか。力士の給与体系は一般企業とは大きく異なり、月給のほかにボーナスに相当する「賞金」、手当、そして相撲界独特の「持ち給金」など、複雑な仕組みで構成されています。
本記事では、2026年現在の日本相撲協会の報酬基準をベースに、大関の給与や各種手当の実態を徹底的に紐解きます。月給の金額感から、横綱・関脇との格差、そして知られざる報酬の仕組みまで、分かりやすく網羅して解説します。
大関の給料・年収の実態と日本相撲協会の報酬基準

大関をはじめとする「関取(十両以上の力士)」は、日本相撲協会から毎月決まった「月給(本俸)」が支給されるプロフェッショナルです。幕下以下の力士が無給の「養成員」扱いであり、原則として場所ごとの「支度金」やわずかな手当のみで生活しているのに対し、関取である大関には安定した高額の給与が保証されています。
日本相撲協会の報酬基準において、大関は横綱に次ぐ高額な月給が設定されています。2026年現在の一般的な報道や相撲界の公的データに基づく推計では、大関の月給は数百万円規模とされており、年間を通した総支給額(年収)は、本場所ごとの賞与や手当を含めると数千万円単位に達します。
ただし、大関という地位は常に高い成績が求められる厳しいポジションです。「大関は降格制度がある」特有の地位であり、負け越しが続くと「カド番」と呼ばれる正念場を迎え、基準を満たせば平幕や関脇へ降格してしまいます。したがって、大関としての安定した高給を維持し続けるには、毎場所で高い勝率を残し続けるプレッシャーと常に隣り合わせであるという実態があります。
月給・賞与(ボーナス)・各種手当の仕組みを解説
力士の報酬は、一般的なサラリーマンの給与体系とは異なる独特の仕組みを持っています。大関の収入を構成する主な要素は、大きく分けて「月給」「賞与(本場所の賞金)」「持ち給金」「各種手当」の4つに分類されます。
最初に、毎月定額で支払われる月給は、番付の高さに応じて段階的に金額が上がります。大関は横綱に次ぐ額面が保証されており、これだけでも一般的なビジネスパーソンの平均を大きく上回る水準です。
続いて、年6回(奇数月)開催される本場所のたびに支給される賞与(賞金)の存在があります。各場所の成績や優勝、殊勲賞・敢闘賞・技能賞といった三賞の受賞、さらには「懸賞金」などが加算されることで、場所ごとの収入に大きな変動が生じます。特に大関クラスともなると、企業からかけられる懸賞金の本数も非常に多く、取組に勝利するたびに大きなプラスアルファとなります。
加えて、力士の給与の大きな特徴である持ち給金(褒賞金)は、これまでの通算勝ち星や優勝回数に応じて積み立てられる仕組みです。勝ち星が増えるごとに持ち給金が上がり、それが本場所ごとに定期的に支給されるため、長く活躍するベテラン力士ほどこの恩恵が大きくなります。
| 報酬の項目 | 支給の仕組みと特徴 | 大関における状況・金額の目安 |
|---|---|---|
| 月給(本俸) | 日本相撲協会から毎月定額で支給される基本給。番付(地位)ごとに異なる。 | 横綱に次ぐ高額な月給が設定されており、一般社会の高水準を大きく上回る。 |
| 賞与(賞金・懸賞) | 年6回の本場所の成績や、企業等から提供される懸賞金の数に応じて変動。 | 上位力士として取組への関心が高いため、多くの懸賞金や場所ごとの賞与が上乗せされる。 |
| 持ち給金(褒賞金) | これまでの通算勝ち星や優勝回数に応じて加算され、場所ごとに支給される。 | 幕内での実績や白星の蓄積に伴い、継続的に支給額が積み上がっていく。 |
| 各種手当 | 支度金、指導手当、役職手当など、地位や役割に応じた補助的な給付。 | 関取としてのステータスに応じた各種手当や、後進指導等に付随する報酬が含まれる。 |
横綱と大関の年収・給料の違いを徹底比較
相撲界の頂点である「横綱」と、その直下に位置する「大関」。この両者の間には、単なる番付の序列だけでなく、給与や待遇の面でも明確な差が存在します。
一般的に、横綱の月給および賞与の基準額は大関よりも一段高く設定されています。日本相撲協会の報酬規程において、横綱は「格別の待遇」を受ける最高位と位置づけられており、基本給与の水準そのものが大関を凌駕します。
また、金銭的な違い以上に大きいのが「社会的責任と身分保障」の差です。大関は負け越しや成績不振によって地位から陥落する制度(降格)がありますが、横綱には降格制度が存在しません。横綱は「負け越したら引退するのみ」という不退転の覚悟が求められる地位であるため、その代償として在位中の報酬や名誉は最高峰のものとなります。大関は「横綱へ昇格する手前の一歩手前の地位」であり、給与面でも横綱を目指す過程の最高ランクとして位置づけられています。
幕内力士の賞金と「持ち給金」が年収に与える影響
大関を含む幕内力士の年収を語る上で欠かせないのが、場所ごとの「賞金」と「持ち給金」のインパクトです。月給だけを見ても十分な高給ですが、実際の年収を大きく押し上げる原動力は、土俵上のパフォーマンスに直結するインセンティブ制度にあります。
例えば、本場所で優勝した場合に支払われる賞金の額は、幕内最高優勝で1000万円という非常に大きな金額に設定されています。大関ともなれば、優勝争いの常連であることが期待されるため、優勝やそれに準ずる成績(準優勝や三賞受賞)を収めるたびに、年収ベースで数百万円から一千万円単位の大きな上乗せが期待できます。
加えて、日々の取組にかけられる「懸賞」も大きな要素です。1本につき数十万円(手取りの仕組みや協会の手数料などを経由)が勝者に渡るため、人気の高い大関の取組には多くの企業が懸賞をかけます。毎日のように取組をこなす中で蓄積される懸賞金も、トップ力士の懐を温める重要な収入源となっています。
大関に昇格するための条件と報酬変動の仕組み
大関の給与や年収の恩恵を受けるためには、まず狭き門である「大関昇格」の条件をクリアし、その地位を掴み取る必要があります。日本相撲協会が定める大関昇格の目安は、一般的に「直近3場所で三役(関脇・小結)の地位で合計33勝以上を挙げた場合」とされています。
関脇から大関へ昇格した瞬間、月給や手当の基準は一気に跳ね上がり、いわゆる「相撲界のセレブ階層」へとステップアップします。一方で、大関から陥落した場合は、月給や各種手当もその下の地位(関脇や小結)の水準へと引き下げられます。このように、大関の給料は単なる固定給ではなく、自身の番付の維持と直結した「完全実力・変動型のステータス報酬」としての側面を強く持っています。
【大関の給料】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大関の年収は具体的にいくらくらいですか?
A1:月給や年6回の賞与、持ち給金、さらに懸賞金や優勝賞金などの変動要素を含めると、大関クラスの年収は数千万円規模(推定で3,000万円から4,000万円以上)に達すると言われています。成績や懸賞の数によって毎年大きく変動するのが特徴です。
Q2:大関が負け越して降格すると、給料はどうなりますか?
A2:大関から関脇などに降格した場合、日本相撲協会の報酬基準に従って月給や賞与の支給額もその番付に応じた金額へと引き下げられます。高給を維持するためには、毎場所で勝ち越しを死守し続ける必要があります。
Q3:幕下以下の力士には給料が出ないというのは本当ですか?
A3:本当です。月給(本俸)が支給されるのは「関取(十両以上)」の力士だけであり、幕下以下の力士は無給の養成員扱いとなります。そのため、大関を含む関取に昇格することが、経済的な自立と高収入への大きな分かれ道となります。
大関の給料や年収は、単に「相撲が強いから高い」というだけでなく、日本相撲協会の厳格な番付報酬基準、場所ごとの賞与、通算成績に応じた持ち給金、そして土俵上の勝敗に連動する懸賞金など、緻密に組み立てられたシステムによって成り立っています。
横綱との間には月給や身分保障の面で差があるものの、平幕や三役とは一線を画す厚遇であり、その地位を維持することの重みと価値が報酬にそのまま反映されています。2026年現在も、土俵の道を極める力士たちにとって、大関という高みは名誉と経済的な成功の両方を掴む最大の目標であり続けています。