北朝鮮の首都・平壌のスカイラインにおいて、圧倒的な存在感を放つ105階建てのピラミッド型超高層ビル「柳京ホテル」。その独特かつ威容を誇るシルエットは世界中のメディアや旅行者の注目を集め続けてきました。しかし、着工から数十年が経過した現在も、ホテルを含む複合施設として建設途中のままであり、多くの謎に包まれています。
本稿では、公式百科事典や信頼できる報道データに基づき、柳京ホテルの歴史的背景、ギネス記録認定の経緯、そして現在の実情について詳しく解説します。
柳京ホテルとは?105階建てピラミッド型超高層ビルの基本スペック

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌に位置する柳京ホテル(リュギョンホテル)は、圧倒的なスケールを誇る超高層ビルです。その最大の最大の特徴は、見る者を圧倒するピラミッド型の幾何学的なデザインと、105階建て、高さ330メートルという巨大な躯体にあります。
公式の基本計画においては、単なる宿泊施設にとどまらず、複数のホテル、回転レストラン、展望台などを備えた大規模な複合施設として構想されました。平壌のどこからでも望めるその姿は、同国の都市開発における象徴的な建造物として位置づけられています。
建設の経緯と歴史:なぜ未完成のまま現在に至るのか
柳京ホテルの建設が始まったのは1980年代後半に遡ります。当時の経済状況や国際情勢の中で国家的プロジェクトとして着工されましたが、その後の旧ソ連崩壊をはじめとする深刻な経済的打撃や資材不足により、工事は1990年代初頭に中断を余儀なくされました。
長年にわたりコンクリート剥き出しの巨大な廃墟のような状態で放置されていたため、国際社会からは「世界で最も高い空きビル」として数々の憶測を呼ぶことになりました。その後、外国資本の参入や外観のガラス張り工事など部分的な再開発が進められたものの、内部の本格的な稼働には至っておらず、現在も建設途中の状態が続いています。
ここまでの歴史的経緯や公式データを整理し、一目でわかる比較表としてまとめます。
| 項目 | 詳細 | 備考・主な実績 |
|---|---|---|
| 名称 | 柳京ホテル(リュギョンホテル / Ryugyong Hotel) | 朝: 류경호텔 / 韓: 유경호텔 |
| 所在地 | 朝鮮民主主義人民共和国 平壌 | 首都の中心部にそびえるランドマーク |
| 規模・高さ | 105階建て、高さ330メートル | 圧倒的なピラミッド型超高層ビル |
| 施設種別 | ホテルを含む複合施設として計画 | 展望台やレストランなどを構想 |
| ギネス記録 | 「世界で最も高い空きビル」 | 1992年にギネス世界記録に認定 |
| 現在の状況 | 建設途中 | 長期にわたる中断と部分改修を経て現在に至る |
「世界で最も高い空きビル」としてギネス認定された背景
1992年、工事が事実上ストップした時期に、柳京ホテルは「世界で最も高い空きビル」としてギネス世界記録に認定されました。高さ330メートルという世界最高峰クラスの超高層建築物でありながら、内部が未完成のまま人が住むことも営業することもない「空きビル」であったことは、世界の建築史や都市計画の観点からも異例の出来事でした。
このギネス認定は、単なる珍記録としてだけでなく、当時の国家的な巨大プロジェクトが直면した困難や、平壌の都市インフラにおける象徴的な存在であることを世界に知らしめる契機となりました。その後も、外観の近代化改修が行われるたびに、ギネス上の位置づけや建物の活用動向が国際ニュースとしてたびたび取り上げられています。
現代における柳京ホテルの実態と周辺の動向
2026年現在も、柳京ホテルを巡る情報は限られており、一般の宿泊客を受け入れる本格的なホテル営業が開始されたという公式な発表は確認されていません。外観については、ガラスパネルやLED照明によるライトアップ演出などが施され、夜間には平壌の街並みを照らすビジュアル的な変化が見られるようになりました。
一方で、構造上の安全性や内部インフラの完備状況については外部からの検証が難しく、公式発表や関係者の証言、限られた報道資料を慎重に読み解く必要があります。北朝鮮の都市景観を象徴するモニュメントとしての役割を果たしつつも、実用的な複合施設としての完成には依然として高いハードルが存在しているのが実情です。
【柳京ホテル】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:柳京ホテルの高さや階数はどれくらいですか?
A1:105階建て、高さ330メートルを誇る超高層ビルです。
Q2:ギネス記録にはいつ認定されましたか?
A2:工事が中断していた1992年に「世界で最も高い空きビル」としてギネス世界記録に認定されました。
Q3:現在、ホテルとして宿泊営業は行われていますか?
A3:現在も建設途中であり、一般の宿泊客を受け入れる営業は開始されていません。
北朝鮮・平壌のランドマークである柳京ホテルは、105階建て・高さ330メートルのピラミッド型超高層ビルとして、世界の建築史において異彩を放ち続けています。1992年のギネス世界記録認定から現在に至るまで、建設の遅延や未完成のままの期間を経て、外観の改修など部分的変化を見せながらも、未だ謎の多い複合施設として存在しています。
正確な公式データと客観的な報道事実に基づきその歴史を紐解くことで、単なる珍建築としての見方を超えた、平壌の都市開発の軌跡と現実を深く理解することができます。